花の色はうつりにけりな、、、紫陽花

花の色は うつりにけりな いたずらに わが身世にふる 眺めせしまに
百人一首にもある、有名な小野小町の和歌ですね。

花の色が衰えていくさまをみて、自分と重ね合わせ、思い悩んでいるうちに無駄に年を取ってしまったなぁとため息をついている歌です。
この場合、年を取ったこと = 容色が衰えたということです。絶世の美女と言われている小野小町の和歌だからこそ、すごく衝撃的です。
個人的な考えですが、才色兼備の彼女だからこそ、容色が失せても才能に自信があるから詠えたのではないかなと思います。

ここでいう、花の色というのは桜のことなのですが、わたしには紫陽花 (あじさい) の方がぴったりきます。
小野小町が生きた平安時代は寿命が今と違って極端に短かったので、たぶん30代くらいでこの歌を詠ったのかもしれません。花の命は本当に短かったのです。
だから、華やかに咲いてぱっと散っていく桜を自身に見立てたのでしょう。


しかし、現在は女性の平均寿命は87歳にも伸びていますので、花の命はけっこう長いのです。(笑) なので、紫陽花の色の移り変わるさまがどうしてもこの和歌に重なってしまうのです。五十路を過ぎてこの和歌がじーんときてしまいますね。

紫陽花のすごいところは散った後、冬はまるでいばらのような見る影もない状態になります。ところが、5月頃になると新芽が急速に伸びて6月にはたくさんの花を咲かせます。
いつもその復活劇に目を見張ります。

だから、それなりにがんばろう。
  

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