芸術の秋 ボストン美術館展、アートな上野

少し前に閉幕寸前、東京都美術館「ボストン美術館展」に行ってきました。
何でいつもわたしはぎりぎりなんだろうと反省点はありますが、やっぱり行ってよかったです。

「ボストン美術館展」はヨーロッパ美術、日本美術、エジプトの出土品などバラエティに富んだ展示が魅力です。これらの美術品は海外を旅した収集家の情熱と美術館側のエジプトでの発掘調査にかけた情熱の賜物です。

アメリカは移民の国、1776年に建国してからまだ240年余りだから、歴史と文化に対して憧憬が強かったのでしょうか。美術収集家が個人のためにというよりは町のため、国のためという大義をもっていたように思います。
これらの収集家たちを「ボストニアン」と呼び、敬う姿勢に好感をもちます。
そして、ボストニアンたちに日本美術を紹介したのが岡倉天心です。
彼は横山大観や菱田春草ら画家の育成に力をつくしたことも有名ですが、日本文化を広めるという大きな仕事をしていたのですね。

それにしても日本美術が海を渡って評価されているというのはすばらしい。
今回、里帰りをはたした英一蝶 (はなぶさ いっちょう) の「涅槃図」は約1年をかけて修復されました。その他にも与謝蕪村の屏風絵などもあって楽しく拝見しました。

でも、メイン展示はやっぱりゴッホでした。
写真は出口近くの撮影コーナーです。
さすがにこの中に入って写真を撮るのは勇気がいるのか、誰もしていなかったですが、、。

今回は夫婦そろっての凱旋展示ということで、左が郵便係のルーラン、右が奥さんです。
なんとも味のある夫婦ですね。左のルーランは、ゴッホからみても被写体としてなかなか興味深い人物で髭がすばらしく、まるでソクラテスのようだと手紙に書いていたとか。
この二人の絵は何枚かあって、いろいろな美術館で所蔵されています。


そういえばと、昔の「バーンズコレクション展」の図録をみたらありました。
ルーランのひげ面が、、。こうした発見も楽しいです。(笑)

それから出口近くにイッセー尾形の指人形の作品がありました。
愛嬌があって、すごく気に入ってしまいました。(笑)


美術館をあとにしたころには夕暮れ時になっていました。
最後はアートな上野の写真を紹介します。

東京都美術館前
地獄門
弓を引くヘラクレス

地獄門とヘラクレスは国立西洋美術館前にあります。
夕暮れ時、ライトを浴びた彫刻は神秘的です。
ヘラクレスはまるで月あかりをあびているようでしょう。
今までこれらの彫刻を気にせずに通り過ぎてしまっていましたが、上野はやっぱりアートな場所ですね。
ちょっと得した気分で駅に向かいました。

次はゴッホ展かな。

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