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7月, 2017の投稿を表示しています

二つの全英オープン

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二つの全英オープンが今年も終わりました。一つめは全英オープンテニス、いわゆるウィンブルドンで、もう一つは全英オープンゴルフです。 毎年、夜更かしをしながらテレビのライブ中継を見るのが習慣になってます。(笑) 今年もまた十分に楽しめました。 ウィンブルドンではあのフェデラーが見事に復活の優勝を果たしました。 昨年のラオニッチ戦でフェデラーが転んだ姿を思い出すと感慨深いです。 あの時は観客からため息のようなものがありましたから、、、。 今年の全豪と全英の優勝は本当にすごいことですね。 フェデラーはもちろん名選手には違いありませんが、多くの人が彼を応援するのは彼のテニスに対するひたむきさを感じるからだと思います。 そして、サーブ、フォアハンド、バックハンド、ボレーなど、どのフォームも美しい。 爆発的というわけではない完成された美しさというか、、、 とにかくフェデラーのテニスは見ていて楽しいです。 そして、こんなことは言ったらいいのかわかりませんが、時々、特にダブルフォルトで窮地にたったりするところが見ている方にとってはたまりません。彼のポーカーフェイスとこのはらはら感が相まって、さらに応援してしまうのです。(苦笑) 来年もまたフェデラーのセンターコートでの戦いを期待しましょう。 そして、終わったばかりの全英オープンゴルフ。 いつも思いますが全英オープンのゴルフ場はすばらしい。時々カメラが上空から映すのですが、荒々しい海岸線とどこまでもつづく広大な土地、小説「嵐が丘」の舞台のようで、まさにイギリスって感じです。 それに今年は松山英樹が3日めまでいい位置で戦っていたのでより楽しみが増えました。 しかし、まさかの1ホールめの OB 、こんなことってあるんですね。さぞ意気消沈しているだろうなと思いながら、その後の松山くんのプレーを応援してしまいました。 結果は2アンダーの14位でしたが、すごく耐え忍んでよくやったなと思います。 ジョーダン・スピースは一時はすごく調子を落としたにもかかわらず、神がかり的なショットを連発して終わってみれば圧倒的な勝利でした。 いつもこの全英オープンの最終日が日曜の夜というのが辛いのですが、今年もまた最後まで見てしまいました。 全英オープンテニス、ゴルフともに歴史を感じながら、新たなスター...

暑さにまけぬ花、木槿 (むくげ)

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木槿 (むくげ)は、アオイ科フヨウ属の落葉樹です。 この夏の暑さの中でけなげに咲いている姿を見るとさわやかな気持ちになります。 白い花びらの真ん中に紅がさしたようで美しいですね。 この木槿という名は中国からきたようです。むくげという音はあまり聞こえのいいものではありませんね。 花のせいではないのですが、名前というのはけっこう決定的な印象をもつので、すごく気の毒な感じがします。(苦笑) 木槿は俳句では秋の季語としてうたわれています。 朝顔にうすきゆかりの木槿かな 与謝蕪村 寝る外に分別はなし花木槿   小林一茶 杉垣に結いこまれたる木槿かな 正岡子規 木槿咲く塀や昔の武家屋敷   正岡子規 いずれも身近な花としてうたわれていますね。 身近すぎて少しぞんざいな感じさえします。 特に2番目の小林一茶の句はどういう意味なのでしょう。寝る外に分別はなしとは、、。 自分なりに思ったのは、暑くて寝ていたら庭に木槿の花が咲いているのが見えたとか、、読解力がなくてすみません。なんだか色気もなにもないですね。(笑) ところでもうひとつ似ている花のことを、ハイビスカスも同じアオイ科フヨウ属の仲間です。こちらは南国の花という感じです。 ハイビスカスは以前ベランダで育てたことがありました。木槿もそうですが、花は一日で散り、次から次へと蕾から花が咲いていきます。 散り際がまた颯爽としていて傘をつぼめたように落ちます。 立つ鳥あとを濁さずの如く、散った後すごく手入れが楽です。潔いですね。(笑) ハイビスカスと木槿、名前の印象からかまったく別物という気がしますが、やっぱり日本には木槿の方がぴったりきます。 この暑さですごく滅入っている中、生垣に木槿の白地に紅をさしたような花を見ると、少し元気がでました。

55歳からのハローライフ

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今回は最近読んだ本について書きますね。 まず本の題名「55歳からのハローライフ」が目にとまり、おもわず手に取っていました。 次に作者の村上龍の名前を見て、図書館の本棚のところでしばらく立ち読みしながら、あれっ、この話何だか知ってるなと思ったら、以前NHKでドラマ化され見たことを思い出しました。 五つの中編小説になっています。 1. 結婚相談所 2. 空を飛ぶ夢をもう一度 3. キャンピングカー 4. ペットロス 5. トラベルヘルパー このうち、わたしがテレビドラマで見たのが 2.空を飛ぶ夢をもう一度と 5.トラベルヘルパーで、それぞれの話に共感したことを思い出します。今回は再びまっさらな気持ちで読み始めました。 幻冬舎館 55歳からのハローライフ どの話もわかるなぁと感情移入と苦笑いしながら、、。特によかったのは「空を飛ぶ夢をもう一度」でした。ドラマを見ていたので内容は知っていましたが、5編の中では一番重たい内容で、ホームレス化した古い友人と主人公の話です。 ドラマでは主人公をイッセー尾形が、古い友人を火野正平が演じていて、読みながら彼らの演技が思い出されました。ドラマを見たときも感動したのですが、単なる友情ではないもっと深いところにある信頼感と正義感、強い気持ちにがんばれと応援してしまいます。最後は涙とともに清々しさが残りました。 55歳というのはどういう年齢なのか。シニアと呼ばれるにはまだ早く、それでいて明らかに人生の下り坂に入っている。わたし自身も常にもやもやしたものが頭の中に渦巻いている感じなので、小説の主人公たちの苦悩や現実に対する失望感、それでも、何とかっていう気持ちがよくわかります。(苦笑) あとがきで、その人が過去に誰とどのように信頼関係を築いてきたかということが、5編に通じる共通点だと書かれていました。また、「信頼」という言葉と概念をこれほど意識して書いたことはない、ともありました。 自分の過去に対して誰とどのように信頼関係を築いてきたかと問われたら、ちょっと答えられません。でも、確かに人との交わりの中で自分の過去が形成されてきたことは事実です。そしてその経験がこれからの人生の糧 (かて) になるのかもしれません。 しかし、人生の下り坂で厳しい現実に落ち込むことは多々あります。そんな時、どうギ...

言の葉の庭、、、万葉集ありき

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あまりに暑いので散歩どころではありません。 今回は新海誠監督作品の話をしますね。 映画館で「君の名は」を見てその映像美にすっかり感心してしまいました。 「君の名は」についてはわたしのサイトの 虹サロン で書きましたので、よかったらそちらをご覧ください。 そして先日テレビで「言の葉の庭」を見ました。 日常の何気ない景色が、新海誠監督の手にかかるとこれほどまでにみずみずしくなるのかと、またもや感心してしまいました。 「言の葉の庭」の題名にある通り、美しい言の葉として、万葉集の和歌がでてきます。 鳴る神の 少し響 (とよ) みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留 (とど) めむ 意味は、雷の音が少し聞こえ、空模様も曇ってきた。雨が降ってくれれば、あなたを留めておくことができるのに。といった感じです。雷のことを鳴る神というのが万葉の時代を彷彿(ほうふつ)させます。 それに対して返し歌として 鳴る神の 少し響 (とよ) みて 降らずとも われは留 (とど) まらむ 妹し留 (とど) めば 雨なんか降らなくても、君が望むならここにいるよ。 万葉の時代、貴族はひまだったのか、はたまたまめだったのか、恋路にそそぐエネルギーは相当なものです。でも、こうして当時の和歌が今アニメでうたわれるというのはとても新鮮です。 映画では、主人公の高校生が恋心をよせる年上の女性が、実は同じ高校の古文の先生で、この和歌のやりとりが重要な役割を果たしていました。 雨の描写がすばらしい。宮崎駿監督の「となりのトトロ」では雨の中でトトロと出会うシーンが大好きでしたが、「言の葉の庭」では雨の新宿御苑のあずまやで二人が出会います。しとしと降る雨やザーザーと降る雨、いろいろな雨が描かれます。そして、二人の親しさが増していくシーンではあずまやの藤だなに藤の花が咲いていました。 全然違うけど、こんな雰囲気で。 藤の花に木漏れ日があたってすごくきれいでした。藤の花に万葉集の組み合わせ、まさに鉄壁ですね。 高校のころは古文があまり好きではありませんでした。未然形、過去形、已然形など文法にとらわれて言葉の意味を感じることができなかったのです。今もこれらの ~ 形の言葉が好きになれません。(苦笑) でも、万葉集が映画の中に出てくると、言葉が...

わが青春の? 合歓 (ねむ) の木

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合歓 (ねむ) の木、いつもウォーキングをしている公園で合歓の木を見つけました。今まで全く気づかずにいましたが、こんなところにあったのかと驚きです。 全体像 花の部分 ピンクの部分が花です。綿毛のようなこの花が夜になるとぴたっとくっつくそうで、眠っているように見えたのでしょう。また、歓び合うという漢字は中国由来で、男女の営みを表わし、夫婦円満の象徴とも言われています。(Wikipediaより)  なかなか意味深ですね。 英語では「Silk Tree」たぶん、ふわふわした花を見て絹を想像したのかもしれません。人の見方というのはおもしろいですね。花言葉は「歓喜」「夢想」古くから人々に愛されてきた樹木です。 私が思い出すのは、宮城まりこ氏が設立した「ねむの木学園」障害児のための養護施設です。1970年代、設立当時ずいぶんと話題になりました。彼女は現在も存命で学園も運営を続けています。長きにわたる功績は賞賛に値します。 そして、ねむが漢字で合歓と書くことを知ったのはまた別で、昔、ヤマハが主催していたポプコン (ポピュラーソングコンテストの略) が 合歓の郷  というヤマハが運営するリゾートで開かれていました。 このポプコン、中島みゆきの「時代」や世良公則 (ツイスト)の「あんたのバラード」などを世に出し、シンガーソングライターの登竜門でした。(うわっ、青春だな。) こんなふうに、長い間わたしの中の偶像であった「合歓の木」ですが、実際に実物を見ると少し感動します。 たぶん今まで忙しかったり、余裕がなかったりで、実際にあるものでも目に入らなかったのだと思います。 このブログの名前の「よりみち」ですが、時々は立ち止まって、花の名前、木の名前を覚えるのも楽しいですよ。

少し残念な、、、柏葉紫陽花 (かしわばあじさい)

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雨の似合う花といえば、そう 紫陽花 (あじさい) ですね。 紫陽花の中で柏葉紫陽花 (かしわばあじさい) があります。葉の形がかしわに似ていることからその名がつきました。 細長い円錐の独特な形で、花の中央に薄い緑があり、清楚な感じです。 わたしはこの花すごく好きです。ただし、、、。 残念なのはその全体像です。  何、これって感じがしませんか。何だか白いパイナップルのようです。 時々、このような育った かしわばあじさい  を見て、とても複雑な思いがします。 ちょっと不似合いなファッションを見ているような感じです。 そのせいか、かしわばあじさいを見かけると一瞬あっと思って、その後必ず近寄ってしまいます。 紫陽花の季節が終わりに近づいてきました。 雨に濡れてぐったり重くなったかしわばあじさい、花は変わらず白くて美しいです。

ミス・マープルとランタナ

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ひとつ前の記事のターシャ・テューダーのところで触れた  ミス・マープル、 アガサ・クリスティが創り出した主人公の一人です。 クリスティの推理小説の中で活躍するのは、どれも個性的な人物ばかりです。 エルキュール・ポアロ、ミス・マープル、トミーとタペンス、、。 その中でもわたしが一番好きなのは、ミス・マープルです。 独身の老婦人 ジェーン・マープル 、 イギリスのセントメアリーミード村に住んでいて、抜群の記憶力をベースに、難解な殺人事件を持ち前の好奇心と洞察力で解決していく。決しておどろおどろしくない、シャープな推理がさえます。 お茶の時間、手作りのクッキー、ガーデニング、編み物と、彼女の日常は穏やかで牧歌的です。どちらかというとポアロは大げさで、クリスティが毒を少し込めた描写が多いような気がします。その点、ミス・マープルはクリスティの人生が投影されたような自然な感じです。 ランタナ さて、上の写真は 「ランタナ」 です。 ミス・マープルにはイングリッシュガーデンのバラよりも、このランタナの方が似合うと思います。小さな小花が集まっておしゃべりしているような感じがしますね。 また、ランタナは色が変わっていくことから別名 「七変化」 とも言われています。 普通のかわいいおばあさんがシャープな頭脳で事件を解決していく展開は、この七変化に重なります。 ちなみに、ランタナの花言葉は「心変わり」「合意」「協力」「厳格」。 花の開花期も5~11月と長く、丈夫で育てやすい植物です。 小さい体ながら意志が強くて勇敢、コミュニケーション能力が高く、人の力を借りながら事件を解決していくミス・マープルに通じるかもしれません。 ランタナとミス・マープル、少々こじつけな記事になってしまいました。 それにしても、アガサ・クリスティ、こうして書いているとまた読みたくなってきます。推理小説なのにいつ読んでもおもしろい。 (筋を忘れてしまったりもありますが) 不思議な魅力があります。 わたしのおすすめは「火曜クラブ」、短編なので気楽に読めます。それぞれの話が面白くてミス・マープルがスパッと事件の真相を明らかにしていくのが痛快です。