投稿

10月, 2017の投稿を表示しています

芸術の秋 ボストン美術館展、アートな上野

イメージ
少し前に閉幕寸前、東京都美術館 「ボストン美術館展」 に行ってきました。 何でいつもわたしはぎりぎりなんだろうと反省点はありますが、やっぱり行ってよかったです。 「ボストン美術館展」 はヨーロッパ美術、日本美術、エジプトの出土品などバラエティに富んだ展示が魅力です。これらの美術品は海外を旅した収集家の情熱と美術館側のエジプトでの発掘調査にかけた情熱の賜物です。 アメリカは移民の国、1776年に建国してからまだ240年余りだから、歴史と文化に対して憧憬が強かったのでしょうか。美術収集家が個人のためにというよりは町のため、国のためという大義をもっていたように思います。 これらの収集家たちを 「ボストニアン」 と呼び、敬う姿勢に好感をもちます。 そして、ボストニアンたちに日本美術を紹介したのが岡倉天心です。 彼は横山大観や菱田春草ら画家の育成に力をつくしたことも有名ですが、日本文化を広めるという大きな仕事をしていたのですね。 それにしても日本美術が海を渡って評価されているというのはすばらしい。 今回、里帰りをはたした英一蝶 (はなぶさ いっちょう) の 「涅槃図」 は約1年をかけて修復されました。その他にも与謝蕪村の屏風絵などもあって楽しく拝見しました。 でも、メイン展示はやっぱり ゴッホ でした。 写真は出口近くの撮影コーナーです。 さすがにこの中に入って写真を撮るのは勇気がいるのか、誰もしていなかったですが、、。 今回は夫婦そろっての凱旋展示ということで、左が郵便係のルーラン、右が奥さんです。 なんとも味のある夫婦ですね。左のルーランは、ゴッホからみても被写体としてなかなか興味深い人物で髭がすばらしく、まるでソクラテスのようだと手紙に書いていたとか。 この二人の絵は何枚かあって、いろいろな美術館で所蔵されています。 そういえばと、昔の「バーンズコレクション展」の図録をみたらありました。 ルーランのひげ面が、、。こうした発見も楽しいです。(笑) それから出口近くにイッセー尾形の指人形の作品がありました。 愛嬌があって、すごく気に入ってしまいました。(笑) 美術館をあとにしたころには夕暮れ時になっていました。 最後はアートな上野の写真を紹介します。 東京都美術館前 地獄門 弓を引...

ポプラの木とゴッホの糸杉、そして十五夜

イメージ
こんにちは。 めっきり秋になりました。 週末のお天気のいい日は公園もたくさんの人でにぎわいます。 さて、いきなりですがポプラについて話します。 子供のころにじゃんけんで、ポプラはグーで、イチョウはチョキ、もみじがパー ってやりませんでしたか。 まあ、最近の都会ではこの三つの木が近くにあるというのは稀なので、知らないかもしれませんね。 でもほら写真の如くポプラの葉っぱはグーでしょう。 でも、実をいうと私も最近までよく行く公園の木がポプラだって知りませんでした。 本当にごめんねっていう感じです。 青空の下、木が風にゆさゆさ揺れているさまをずっと見ていたのに気が付かなかったなんて、、、。 ポプラの木ってこんなに背が高かったんだ。空に向かってすっと伸びています。 このポプラ木を見ていていつも思うことがありました。 なんて馬鹿なと思われるかも知れませんが、ゴッホの「糸杉と星の見える道」です。 なんか、すごく似ています。 ゴッホは糸杉を多く描いていて、もちろんこの絵も糸杉です。 言い訳っぽくなりますが、公園の木も糸杉なのではと思ってしまい、わざわざ近くで葉っぱの写真を撮ってしまいました。(笑) 馬鹿ですね。 ゴッホの「糸杉と星の見える道」、ゴッホらしいタッチで麦畑の黄色と星と月と糸杉、歩いている二人、馬車が描かれています。 きらめく星と三日月でしょうか、夜なんだろうけれど空の色だけ見ると明るい。 ゴッホのことだからかなりデフォルメして描いているのだろう。 手前の村人二人は仕事を終えこれから一杯やろうか、なんて話しているのだろうか。 それともすでに一杯飲んで、ほろ酔い気分で家路に帰る途中だろうか。 こんなつまらない妄想を描いているなんて誰にもいえたものではないけれど、ふっと一人で笑いながら考えているのが結構楽しい。 奇しくも先日の十五夜 (中秋の名月) のお月様がすごくきれいでした。 ゴッホの絵は三日月のようですが、やはり日本ではお月様というと「中秋の名月」ですね。 中国でも同じく「中秋節」、月餅を食べる習慣は有名ですね。 日本では、十五夜の月にはお団子と薄(すすき)、ススキの穂を稲穂に見立てて豊穣を祈っていました。 東西の文化は違えども、太陽、月に対する人々の祈りは同じだと思います。...